音には、記憶を蘇らせる力があります。
一番わかりやすいのは、
音楽なのではないでしょうか。
* 幸せな時に聴いた曲
* 嬉しかった時に聴いた曲
* 励ましてもらった時の曲
* 苦しかった時に聴いた曲
* 悲しい時に聴いた曲
パッとその時の情景が浮かんできて
時より香りなんかまで感じられるほどです。
音楽にすべての「思い出」が宿るのかもしれません。
懐かしいドラマの音楽を聴けば
その当時のことをふと思い出したり。
悲しい時にパワーをもらった音楽を聴けば
そこから乗り越えた記憶を思い出すでしょう。
これは、音楽だけでなく音も一緒です。
汽車の音を聴けば
もしかすると小さい頃の度の記憶を思い出したり
CDで波の音を聴けば
癒された沖縄の波の音を思い出すかもしれません。
これは、音と記憶を結び付けるため
違う波の音を聴いたとしても
自分の思い出とくっつけるんです。
どんな思い出とくっつけるかは
自分の中にあるものと共鳴します。
残念ながら
良い音ばかりを思い出すのではなく
恐かった時の音も思い出すことも事実です。
ただ、これにはとっても意味があります。
音楽療法でも、嫌だと思う音楽や音には
ちょこっと意味があるんですね。
嫌だと感じる原因があって、
そこが癒されてないからこそ
自分の中にまだ残ってしまっているんです。
その部分が癒された時に
音に関する感じ方が変わってきます。
なぜ嫌だと感じるかというと
自分の中にあるネガティブな想いが
共鳴をしてしまうんです。
ただ
深い意味があって、
もうそこを癒す時だよって
教えてくれてもいるんですよね。
そこを癒して
そこからの学びや乗り越えた力に
もっと目を向けてみたらどうだろうって
身体や心がメッセージを送ってくれている
そう私は感じているんです。
すべて起きることに
良い悪いはないんですよね。
悪いと感じるようなことであっても
必ずそこがバネになって
結果的に良い方向に流れていく
私はそう信じていますし
そう実感もしています。
人は誰だって
いろいろな想いがあります。
いろいろな経験もあるでしょう。
どの想い・経験も大切なもので
大切な学びがそこにはあるんですよね。
もちろん、とってもツライことを
そんな簡単に癒されないでしょう。
でもとっても深い自分の中からの
メッセージなんです。
また、
音の記憶とまったく
関係がない感情であったとしても。
音のおかげで違う感情、
自分も忘れているような感情が
癒されることも多々あります。
自分の中にわだかまってたまってしまった感情が
気づかないうちに癒されるんです。
癒されたと感じた瞬間に
ものすごいパワフルなエネルギーが
流れ出すんですよね。
意識をどこに向けるかだけで
こうも変わってくるものです。
エネルギーはすべて中立です。
音のエネルギーも中立です。
良いも・悪いもないんですね。
良いと悪いの判断は
自分の中にあるんです。
意識を向ける位置を変えるだけで
良いものに簡単に変わってしいます。
面白い研究結果があって
ポジティブな言葉からの刺激は快い記憶、
ネガティブな言葉からの刺激は不快な出来事を
想起しやすいという実験データがあるんです。
つまり
自分の中にポジティブな言葉よりも
ネガティブな言葉に向けやすい方にとっては
音の反応をネガティブにとりやすくなってしまいます。
ネガティブがない人なんて
きっといないでしょう。
ただ、ポジティブに目を向けやすい人と
ネガティブに目を向けやすい人がいるはずです。
勉強すれば勉強するほど
人間の学びの奥深さを感じます。
参考論文
雨宮有里 関口 貴裕「自伝的記憶の無意図的な想起に関する実験的検討」東京学芸大学起用第一部門 第55集 2004年 97頁